2013年9月1日日曜日

零陵香のこと

以前、早稲田大学エクステンション
センターでの講座の際、受講生の方
より、ご質問を頂いたことなのです。

「ブログにアップしておきます!」と
言いつつも、かなりの月日が流れ・・・。
あまりに遅いアップで、恐縮です。

お待たせしてしまって、すみません。
ご覧になっていらっしゃることを
願うばかりです。

さて、タイトルにもある『零陵香』。
それは、まるでカレーのような、
なんだかスパイシーさ漂う香原料
です。感じ方によっては昆布のよう
にも感じます。駄菓子屋さんにある
箱に入ったお菓子ありましたよね、
ああいう感じっぽい香りもします。

強く香る部分がスパイシーで、裏に
あるのが昆布と思って頂くとわかり
やすいかもしれませんね。

女性から人気のある香原料かと
言ったら、どうでしょうか、多分、
割合で考えたら、この香りが大好き
という女性は少ないのでは、と思い
ます。
逆に男性で苦手という方、少ない
かと思います。

香りを通して見る男女差も、なかなか
面白いものなのです。

私自身はこの香りが強い調香で自分の
香りを創ることはないと思います。
もちろん使用していますよ。お線香
では結構な量で入れているものもあり
ますが、これが目立つことはありません。
そこは、調香の妙ですし、腕の見せ
どころかと。

さて、この『零陵香』という名前は
漢方薬での名前です。

では、和名では何になるのかと言います
と、モロコシ草だと考えられているよう
です。

ただ、日本に生えているものと実際に
漢方薬で使用されているものでは、
産地も違いますから、香りの強さも違う
と思います。

以前、塗香の講座の際、創るのを躊躇
された受講生の方が仰るには、

「初詣の際、お寺で塗香をつけさせ
れるのですが、帰りの車の中が唐揚げ
で充満してしまい、家族からも不評で。
だから、塗香は好きではないんです。」と。

「から揚げっぽい香りは、これでは
ないですか?」と伺い、零陵香を試して
頂いたところ、

「これです~!」と。

やはり(笑)。

そんな香りです。
スパイシーなんです。ほんとに。

それでは、この香りは使えないのか?
と言えば、そういうことではありま
せん。また、この日も、ご本人がイメージ
していた塗香とは全く違う香りに仕上げ、

「塗香にも色んな香りがあるんですね」と。

和の香りは、全体がボールのように丸く
バランスのある香りがよしなのです。
丸いからと言ってぼんやりはしてません。

ボールって、使えるのは、きちんと張って
ますよね。
つまり、締まるところは、締まっている
訳です。

そのバランスを崩さない状態で入って
いる分には、全然問題ないのです!

ゆすらのオリジナルの匂い袋にも少量
入っているものもありますし、↑でも
書きましたが、お線香などは、かなり
大胆に入れているものがあります。

本当にバランスなのです。

そんなスパイシーな香原料の香りを
試してみたいという方、ぜひ、講座に
ご参加なさってみてください。
また、オーダーメイドや出展中の際に
色々と出ている香りや、零陵香の香りを
試してみたいとお声かけ頂けたらと思い
ます。

和の香り創りは、本当に楽しく面白く、
そして、その香りに日本のよさを改めて
感じて頂けると思います。

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