2008年12月25日木曜日

甘い松なのに・・・?

甘い松と書いて、甘松(かんしょう)という香原料
あります。女郎花(オミナエシ)科の植物です。
香原料には、主に根が使用されていますが、漢方
生薬で鎮静・胃健などに使用される時は、茎が
使用されています。
名前からだと、何だか、ほっくりした甘さがある
のでは?と想像しますよね。

が、全く違います・・・。匂い袋に入れる刻んだ
状態の物は、家の奥の奥の奥の方の感じ。畳が
どうにかなったというか、古い日本家屋の奥の奥の
奥の方です。陽の当たらない、そんな香り。

で、練香やお線香に使う粉末の物になると、なぜ
だか、そこに~発酵臭~が加わってくるのです。
納豆とかブルーチーズとかそんな感じの発酵臭です。
刻んだだけなのに、この変化はなぜでしょう~。
とは言え、甘松はとても大事です。私は、自分で
創っている時にも、よく使います。甘松を加える
ことによって、香りは一気に深みを増します。
横展開に、縦展開が加わる感じです。WOW。

座では、多くの方があの香りを聞くと、入れる
のを躊躇されますが、必ず入れてもらいます。
嫌だけど、入れてみてくださいと。加えた後は、
その香りの変化に顔が明るくなります。そんな
効果が感じられます。ワカリニクイカナ・・・。

以前、ヒマラヤで作られたという甘松の粉末だけ
で作られたとしか思えないコヨリに包まれたお線香
というか、インセンスが売られており。大地の甘い
香りを感じられますって書かれていたんですが、
どう想像しても私にはあり得ない。どんな大地の
甘さが出るのか試したいし、他に何が入っている
のか気になって買ったことがあります。狭い空間
で薫いても臭さは気にならないのかとか、本当に
大地の甘さなのかとか、かなりしつこく質問した
のですが、多分、質問の意味がわかってもらえて
なかったと思うし、販売員さんは私は試したこと
ないと・・・。

いいですか~、納豆とかブルーチーズとかの発酵
臭系を思い浮かべてください。それが煙とともに
上がるのを。しかも、部屋はそんなに広くない。
点けて、大地の甘さを感じてみようと努力をしま
したが、消しました。もしかすると、ヒマラヤの
自然の中で薫いたら、何か違う感覚が得られるよう
な気がしますが、所詮、狭い室内。服に香りが移って
しまっては、大変なことに。電車で迷惑系になって
しまう~、と慌てて消しました。


もしかすると、あのインセンスが大好きな方も
いらっしゃるかと思いますが、香りとして楽しむ
には、私にはかなり厳しいっす。納豆もブルー
チーズも食べるけど・・・。
 
得られた結論は、やはり甘松だけの香りを楽しむ
というのは、相当に難しいのではないでしょうか・・・、
ということです まる

第12回 香りの彩時記【 香進】が始まりました!

パレスサイドビル1Fの毎日文化センターの近くを歩いていると、何となく感じられるいい匂いの季節になりました。 今年も毎日文化センター和の香り講座の受講生による作品展が始まりました。 今回の参加者は2名ですが、それぞれの作品への思いが見えてきます。 作品展タイトルの「香進(こうしん)...